サックスという楽器はジャズという音楽ジャンルでぴったりマッチするものですが、そのジャズの起源を探ると、学ぶものがまだあることに気がつくかもしれません。

正確に演奏できることを求めるこの時代に、不安定な部分を重視するジャズの価値を理解するのはなかなか難しく、日本人にとっては最も理解しがたいものの一つかもしれません。

ジャズの起源

ジャズの起源はアメリカのニューオーリンズ州だといわれています。一説にはニューオーリンズ州の売春宿から始まったという話もあります。

1910年代は戦争が激しく、ジャズの流行は戦争を進めるためには邪魔なものとなるので、ジャズの起源となったその売春宿は閉鎖されたといわれています。

仮に、このニューオーリンズでジャズが発生しなかったとしても他の場所でジャズが発生する可能性は十分にありました。

ニューオーリンズのジャズ形式はすでにミシシッピ側よりも北の位置にすでに北上していて、アメリカの軍司令部が中止を求めたとしてもさらにジャズは自然に広まる状況にあったからです。

1917年年から1929年

1917年頃から大恐慌の始まる1929年まではジャズの黄金時代とも呼ばれています。この時期にジャズの基礎はほぼ完成し、ルイ・アームストロングに代表される伝説のプレーヤーも現れました。

正確に黄金時代がいつなのかを語ると論者によって異なってきますが、1914年の第1次世界大戦あたりから1929年までを基準に考えるとほぼ間違いはないでしょう。

1919年から1929年までの10年間は、レコードで音楽の記録が残っています。ジャズをさかのぼって実際に音楽を聴けるのはこれくらいが最古のものになるので、いわゆる「古典」という扱いとなります。

ルイ・アームストロングが最高のジャズ音楽家だとしても。実際に行くと古臭い感じは否めません。ルイ・アームストロング本人のせいではなく、この時代のジャズはまだまだ洗練されておらず、今と比べると古臭いものであり、どのレコード聴いても古臭く感じます。

また、ジャズ自体が、即興性たっぷりで、本人の感情の表現という側面が強く、最高のミュージシャンだとしても、その時の演奏する状況・本人の体調や意識、才能の開花の度合いによって、音楽レベルは変化してしまいます。常に最高レベルの演奏ができたというわけではないので、野暮ったくなるのは仕方がありません。

有能な伴奏者が必要

ジャズ音楽プレーヤーというのは、伴奏者の能力が高くなければその音楽の魅力を最大限に発揮することはできません。

最高のジャズプレーヤーが、レベルの低い伴奏者と一緒に演奏したとしても、伴奏者のレベルの低さばかりが露呈する結果にもなります。

自分の感覚に似ているプレイヤーを周りに集めることをし始めるのが天才的なジャズプレイヤーの行動です。クラシックのように正確な演奏ができる人間ではなく、美しい音色と圧倒的な感情面のパワーを秘めた演奏者が必要です。

クラシック音楽は完全に考え抜かれた音楽です。演奏するのも少しのミスも許されません。演奏家としては正確で演奏できることが求められるのですが、ジャズは全く異なる音楽です。正確な演奏ができる人間は退屈なものと扱われてしまいます。

1929年までのジャズ音楽家は黄金時代と言われてましたが、それ以降のジャズ音楽家はほとんど魅力がないものになっていきました。その原因は、機械的な反復練習を多くこなし、正しいリズムで正確に演奏できる音楽家がジャズを始めたから。逆に安っぽくなってしまったのです。

黄金時代のジャズプレーヤーの演奏を聴くと一見古臭く見えると説明しましたが、注意深く聴いてみると。繊細なフレージングがちりばめられていることがわかります。

ルイ・アームストロングにおいてはほとんど欠点がない最高の音楽とという評価がされています。テクニックだけではなく、完璧なフレージングでその能力は明らかに他の演奏者よりもずば抜けていました。

不安定さが魅力

最もジャズの華々しかったのは1910年代から1929年までそこら辺で出すの古典的な土台が完成し、逆に、それ以降のジャズ音楽家が全く魅力のないものになってきました。ジャズは感情や音楽センスに左右されるものが大きいことを知ってサックス練習に励みましょう。

クラシックのように徹底的に訓練され、型にはまった人が挑戦しても、たいした魅力を発揮できない不安定な音楽です。

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