サックスと切っても切り離せないのがジャズ。どのようにして生まれてきたのかなんて、趣味でサックス行う人には直接関係ないかもしれません。
それでも、さらに深くサックスを楽しむためには、ぜひとも知っておきたい事項です。
黒人音楽が発祥
ジャズの起源は黒人音楽です。アフリカ大陸からアメリカに奴隷として連れてこられた黒人が作り出した音楽です。
奴隷として連れてこられたのだから、労働と関係があります。ジャズの起源で見逃せないものとしてワークソングの側面があります。
つらくて厳しい労働の中で、みんなで一緒に歌を歌おうといった感じ。その他には、1人だけで歌うものもあります。仲間で歌うワークソングと、1人だけで歌う歌があります。
ジャズやブルースは基本的に歌詞が拙いものになっていることがあります。そのため、歌詞だけを見ているとジャズやブルースの本質を見誤ります。
歌詞が拙くても、演奏者や歌手の解釈力によって音楽というのは変わってしまうものなのですから。
娯楽音楽としてのジャズ
ワークソングの他にも、娯楽音楽としてのジャズがあります。つらい労働をしているのだから楽しむ時間もなければいけません。そのために出てきたのが大衆音楽としてのジャズです。
娯楽音楽は大衆に受けるために行われるものです。人種によって異なります。白人には白人向けの娯楽音楽があり、黒人には黒人の娯楽音楽があります。
ジャズの特徴は、この娯楽音楽に起源がある、と言われていて、特徴としては、伝統的で、どぎついものになりがちです。
そして、しつこくて交錯するようなリズムが特徴。メロディーは単純、時には退屈と感じられることもあります。演奏者の個性が重視され、演奏者によって全く異なったものになりがちです。
規則的で形式張った白人音楽
白人の大衆音楽は、これと全く逆のものです。本人の個性はそれほど重視されず、土着性が低い音楽とされます。そのため、ジャズは、演奏者という人間が重要になるのであって、白人の音楽であるクラシックは、どの楽曲を演奏するかが重要になります。
クラシックで、演奏者の顔がそれほど前面に出てこないことが多いのはこのためです。ベートーヴェンとかモーツァルトという名前が前面に出て、演奏者の名前が全面的に押し出されないのも、このような特徴が歴史的にあるからです。
ジャズの特徴
上に紹介したようにジャズには歴史的に見なされたところにその特徴があります。
- しつこく錯綜したリズム
- 単純で退屈にもなりかねないメロディ
- 即興性と演奏者の個性を重視
- 絶妙なブルース表現
これらの特徴は歴史的に積み重ねたもので、そう簡単にマネすることはできません。楽譜通りに演奏したとしても、ジャズとしての評価は低いものとなるでしょう。そして、別のアーティストが、完全にコピーすることも無理な話です。
このようなジャズの伝統を身につけるためには、名手の演奏を聴き、長期間にわたり耳を鍛えるほかありません。学校のように、机の上に座って先生から教えられるものではありません。
歴史と伝統の上に
いくらジャズの名プレーヤーとなりたくても、これらの歴史と伝統がない以上、薄いものにならざるを得ません。
本物のジャズを身につけるには、黒人が積み重ねてきた歴史を味わなければいけません。それは日本人がやろうとしても無理があるのです。
アフリカから連れてこられた奴隷貿易の歴史、白人との対立強制労働や刑務所など、これらの文化的な背景を基礎にジャズというものが存在しているのです。
日本人がジャズの名プレーヤーとなりたければ、生まれ育った日本の歴史を基礎にするほかないのです。
中途半端に外国人のことをリスペクトして、マネをしようというのでは、いつまでたっても二番煎じと言われ続けるしかないでしょう。
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