憧れていたアルトサックスを習い始め、練習の甲斐もあり、だんだん上手になってきた。そろそろ誰かとセッションでもしてみたい…そうだ、子供がピアノ習ってるから子供とまずは合奏してみよう!
アルトサックス「ドレミ〜♪」。ピアノ「ドレミ〜♪」。…!?音が全然合わないぞ!?
そんな経験ありませんか?アルトサックスは移調楽器なので、同じ譜面を使うとピアノと音は合わないのです!アルトサックスの譜面で「ド-レ-ミ」と吹くとピアノでは「ミ♭-ファ-ソ」です。
なになに?意味がわからない?
アルトサックスは「Es(エス)管」なのです。Esはドイツ語読みでエス、E♭、ミ♭の音のことを言います。なぜピアノと合うように作られていないのか?仕方ありません、管楽器はそういうものですから(汗)。いわゆる「音階」はピアノの音が実音です。移調楽器で鳴る音は「記譜音」。実音とは異なるため、同じ楽譜を使用してしまうと、音はずれまくり、セッションなんて遥か彼方の夢のように思えてきます。フルートやオーボエなどC管もありますが、たいていの管楽器は移調楽器です。
じゃあどうすればいいのか、ですが、サックスがピアノに合わせて楽譜を読み替えるか、ピアノがサックスに合わせて楽譜を読み替えるか、どちらかしかありません。プロレベルだと移調読み、移調弾きは対応出来るのですが、趣味で始めた皆さんの場合、そこまでの勉強は普通はしないですよね…。
吹奏楽やオーケストラはどうやってるの!?と思われるかもしれませんが、スコアやパート譜はちゃんと分かれていますし、作曲するほうも楽器の調性を理解した上で作曲するわけですから、合奏するときちんと曲になるのです。現代は便利な作曲ソフトもあり、移調もボタンひとつで出来ますが、ベートーベンやモーツアルトの時代なんて当然全て手書きなわけですから、彼らの凄さを改めて実感できるのではないでしょうか!?
それはともかく、ピアノと合わせるのはもちろん、他の管楽器とセッションする時も、どうしたものか、と思ってしまいますね。そんな時に便利なのが「ジャズ・スタンダードバイブル」。いわゆるジャズの「黒本」。アルトサックスの調に合わせたE♭版の他にも、テナーサックス、クラリネット等、B♭管向けのin B♭版、F管用のin F版などもあり、もちろんピアノ用のin C もありますので、それぞれが自分の調にあった版を持ち寄って演奏すれば、いちいち考えなくても済みます。
ただ、黒本もジャズのアドリブ用なので、コードなど理解している人向けではありますが…。一番手っ取り早いのは、アルトサックスとピアノ用の楽譜でちゃんと別々になっている楽譜を買うことですが、演奏したい曲が必ずしも楽譜になっているとは限らないですよね。なのでちょっとコードの勉強を頑張って、いろんな楽器と合わせられると楽しいですよ!
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