いい音をサックスで出したいなら、構え方が重要です。細かいテクニックやアンブシュアも重要ですが、演奏する姿勢は意外と重要な役割を占めています。基本的なサックスの構え方について、ここでは見ていきます。

ストラップ

サックスにはストラップという体に引っかけるひもがありますが、単なるひもではなく、意外と姿勢に大きな役割を占めています。

サックスは右手の親指だけで支えるものではありません。ストラップを使いつつ、体全体で支えるのです。ストラップは、楽器の重さを分散し指に負担がかからないようにする役割があります。

ソプラノサックスのように軽いサックスなら重さは問題にはなりませんが、アルトサックスになると2kg~3kgあります。テナーサックスやバリトンサックスになると片腕では支えきれなくなります。そのためにストラップの使用法と姿勢は重要な要素になってきます。

ストラップの長さが適切であると、楽器を構える位置が固定されます。そして安定したアンブシュアができるようになります。そのため、ストラップの適切な調節を抜きにして、アンブシュアばかりあれこれやってみても改善しないのです。

ストラップの長さと姿勢

ストラップの長さは、マウスピースが上の前歯に当たるように調整をしましょう。息がまっすぐに出るような角度になるように心がけましょう。構えた時にサックスと体が離れすぎると、息の流れが不自然になります。明らかにストラップが長すぎる状態です。

逆に、ストラップが体に近すぎるのは、あごが上がりやすく、息の流れも悪くなります。

右手の親指だけでは支えきれない

右手の親指だけに頼ってサックスを支えるのはまず無理です。サックスの高さを指だけで調節すればケガにもとになり、腕が疲れて演奏することもできません。適切なストラップの長さは、自然な形で長い時間演奏する基礎になっているのです。そして構える高さも一定に保つことができます。

ストラップの形

ストラップは首にかけるネック型が主流ですが、体に装着するハーネス型があります。ネック型では首にばかり負担がかかり、ヘルニアや腰痛になったりすることもあります。

サックスを長時間練習するという方はネック型ではなく、体全体で支えることのできるハーネス型を選んでみるといいでしょう。首に負担がかからないために、息を楽に入れることができます。

右手の親指が痛み出すわけ

サックスの演奏において右手の親指が痛み出すという人がいます。最も痛む場所の一つと言われています。右手の指が痛いからといって病院に行って解決することはありません。というのも、原因を考えなければならないからです。

痛みどめやシップ薬を使って治るわけがありません。サックスの構える姿勢が悪く、右指にばかり負担がかかっているのが原因です。右手に力がかかっている場合、楽器を指で持ち上げている場合には、確実に指が痛くなります。

アルトサックスは2kgくらいの重量がありますから、指に負担のかかるのは当然のことです。大きいサックスではそれ以上に指に負担がかかります。

右手親指だけで持ち上げることなどできません。そのために指で支えるのではなく、体全体でサックスを支えることが右手の痛みを取るために必要です。体のどこかが痛み出すというのは病気でも何でもなく、姿勢が悪いから、というのはサックスでもスポーツでも同じです。

長時間の練習に耐えるために

サックスを上達させるためには長時間練習することが必要ですが、体を痛めてしまったら練習もできず意味がありません。ストラップを適切に調節できていないため、姿勢が悪くなり演奏ができなくなったり、指が痛くなったりすることは覚えておきましょう。

姿勢というのは思いのほか大きな影響を与えているのです。サックスは重量のある楽器ですから、重さを分散させて指や手だけで持ち上げないように、自然に支えられるように調節しましょう。

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