サックスといえば、ポップスやジャズなどが有名で、クラシック?そもそもクラシックの曲が存在するの?なんて思われがちです。もちろんクラシックの名曲も様々ありますので、ここで紹介したいと思います。ジャズ系とはまた違ったサックスの魅力を堪能してみてください。

1.グラズノフ「サクソフォーン協奏曲」

通称「グラズノフのコンチェルト」と呼ばれる、アルトサックスの定番中の定番です。音大の入試課題曲としてもよく使用され、サックスでプロフェッショナルを志すなら、必ず通る道と言ってもよいでしょう。むしろ演奏経験のない人を探す方が難しいくらいです。
1934年に初演されましたが、グラズノフの築いた名声があるにも関わらず、なかなか出版社が見つからず出版はかなり後になってからのようです。
サックスの少し甘く切ない表現と、演奏者の技術的なレベルが存分に問われる、名曲です。

2.J.リュエフ/Chanson et Passepied Op.16

「シャンソンとパスピエ」という、こちらもアルトサックスの名曲。リュエフはフランスの女性作曲家で、マルセル・ミュールなどの著名なサックス奏者と親交があり、サックスのための曲をいくつか残しています。ちなみに「パスピエ」というのは古典舞曲のことを言います。
穏やかにしっとりと奏でるテーマから始まり、終盤に向けての軽やかさがパスピエ特有のリズムで展開されています。副題に「サキソフォンとピアノのための」とわざわざ書かれていますが、ピアノは伴奏に徹するというより、奏者同士がお互いに曲への理解を深めていないとサマにならない、奥の深い作品。

3.バッハ無伴奏チェロ組曲

バッハがチェロのために書いた組曲ですが、こちらは様々な管楽器用にエチュード(練習曲)として出版されています。サックスといえばアルトサックスが一般的ですが、ここではテナーサックス用として紹介します。テナーはアルトに比べてレパートリーが極端に少ないですから、テナー用レパートリーとして加えるとなかなか渋くてかっこいいですよ!
サックス奏者、プロデューサーとして活躍を続けている清水靖晃氏が1996年と1999年にリリース、大評判を呼んだCDが有名ですね。CMでも使用されたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。

いかがでしたか?いわゆるバンドの中での位置付けのサックスとは全く違う趣を持った、新しい魅力に気づいてもらえたのではないでしょうか。
サックスの音楽史的な背景としては、近代、現代音楽に入りますが、不思議とクラシカルな雰囲気を漂わせていますよね。こういう、「プロフェッショナル」な名曲に挑戦してみるのも、楽器を演奏することの一つの楽しみになります。



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