ここでは開放運指の練習のポイントを見ていきます。開放運指とは、ド♯の音で何も押さえない運指のことをいいます。

フレーズ中に開放運指があると、ついつい何かのキーを押さえてしまいがちですが、開放運指では何も押さえないことになります。

開放運指の場合に何もさえない状態から、すべてのキーを押さえることがあります。指に遅れが出ないように気をつけましょう。

開放運指は指に負担がかかるから

開放運指はストラップの高さが重要になってきます。すべてのキーを押さえないので、支えがないからです。ストラップの高さを調節しておいて、開放運指に耐えられるようにしてください。

ストラップの長さが合っていなければ、右手親指にサックスの重量がかかってしまい、指を痛める結果になります。

短時間ならそれほどダメージはないのですが、毎回毎回重さがかかると指にダメージが蓄積することになります。

右手の親指に痛みを感じる場合、ストラップの長さが調節できていないことを疑いましょう。特に長すぎることのほうが問題になります。

レに注意

開放運指はド♯を演奏するときに使います。ここではレの音程に注意してみましょう。

チューナーで計測しながら吹くとわかりやすいです。オクターブキーを押したときのレの音は実際のレよりも音程が高くなります。

ほとんどのサックスで起こる現象です。そのため、アンブシュアをゆるめて意図的に低く吹く必要があります。激しく音程が崩れないド♯の後、レの音を吹き、そのアンブシュアの違いを理解してください。

開放運指は開放運指というだけあって、すべての指を離すことになります。ついつい何かのキーを押さえたくなってしまうものですが、我慢するように練習しましょう。開放運指の練習は我慢することだと思ってください。

運指が速くなればなるほど、勢いづいてキーを押さえたくなります。何も押さえないことがあるということに慣れましょう。

次の運指を意識して離しすぎない

特にド⇒ド♯では左手の開きすぎには注意が必要です。ド♯になった時に指を離しすぎないことが重要です。開放運指だからといって意識的に指を離してしまうと、次の運指に移れません。指を離しすぎないようにしてください。

その時に、人さし指と薬指を離しすぎないようにするのが重要です。指を離すというイメージよりも、押さえないというイメージを持ってください。

ド♯→レ

ド♯→レでは音がこもったように聞こえるときがあります。これは運指の特性から起こる現象です。何も押さえていない運指からすべての指を一気に抑えるという特徴からきています。音程を改善するとかなりの部分が修正できます。

ド♯→レは指の動きが多く動かす指に気を取られてしまいがちですが音程に気をつけながら演奏しましょう。

ネックに注目

ネックの部分に注目してみてください。サックスの構造で、高音のラよりも高い音でネック部分のトーンホールが動く仕組みになっています。

ラよりも高い音がない場合にはトーンホールが動かないことになります。

ラよりも高い音がないにもかかわらず、トーンホールが動いてしまう場合には、薬指・親指が遅れて動いている証拠です。意図的に速く動かすようにすることが必要です。ラよりも低い練習でトーンホールに注目し動かないように気をつけましょう。

開放運指は特殊な運指です。必要もないのに何かのキーを押さえたくなってしまうのが人情ですが、何も押さえない運指を練習してマスターしてください。

何もしないことが正解の時があります。ストラップの長さを重要で指に負担をかけないようにしてください。開放運指は指に負担がかかりますので、ストラップの長さまで着目することが必要になってきます。指の動かし方だけでなく、音色にも気を配ってください。

スポンサーリンク