サックスの音に納得できない悩みって、リードを変更して解決するものなのでしょうか。リードを変えたからといってよくなるとは言い切れません。よくなることもありますが。音をよくするためにサックスの息との関係を理解しておきましょう。
音は息から
サックスは中に息が入れる楽器です。楽器の中に入る息の種類によって音が変わってきます。そして入れた息をどう支えるのが重要な問題です。音色を細かく分析すると、息の使い方・息の圧力・息の量などが関係してきます。これらの関係も音に重要です。
楽器の中に入る息の量をコントロールするためにリードを変更するわけです。というわけで、リードを使って音色を変えようとするのではなく、楽器の中に入る息の性質を変えるために使うと考えてください。
リード以外のパーツ
サックスの音を改善するにはリードだけではありません。マウスピース・リガチャー・ストラップ・リード、このすべてのバランスでできているのがサックスです。パーツを取り換えた時に全体のサックスのバランスが取れている必要があります。
すべてのパーツを考えて理想とする音に近づけていく作業が必要となります。これらのパーツはメーカーによっても違うものなので、自分でパーツを選べるような観察眼が必要になってきます。ある程度経験を積まなければできるものではありません。
パーツを選びだけでなく、セッティングも重要です。リードやマウスピース・リガチャーの位置を少しいじっただけでも音が変わってしまうのですから。同じブランドだとしても同じ音が出るとは限りません。
環境によっても音が変化します。気温が高い低い、演奏する場所は1人なのか、大勢なのか。毎回同じ条件で演奏することはできません。そんなときにリードを調整する機会もあるかもしれません。
自然な状態で選ぶ
演奏した音を自分の耳で聴いたときに自然に聴こえるかどうかも確認してください。狭い部屋で演奏した場合と広い部屋で演奏した場合も聴こえ方が全く違います。どちらが自然に聴こえるのかを確認することが必要です。
人前で演奏する場合と、録音する場合で条件は違ってきます。人前ではよく演奏できたと思ったのに録音して聴いてみたらひどかったということもあります。どんな条件でも一定のクオリティーを保った音が出せるようになることを目指してください。
マイクを通したときに自然に聴こえるかどうかも注目してください。マイクを使う場合にはマイクの特徴を見抜くことが必要です。
例えば、倍音が多く入るマイクでは自分の音の倍音を控えめにすること。中音域が伸びるリードを使うことです。マイクを通して音を出した時におかしな音にならないように調整する必要があります。リードを変更してもうまくいかない場合には息の入れ方を工夫することになります。
人に音を聴かせるとき、その人との距離も重要になってきます。1mしか離れていない人・3mくらい離れている人・30m離れている人では音の聞こえ方が違ってきます。
リードの硬さ
硬いリードを使うと力を強く入れなければいけません。その結果、大きな音が出ます。柔らかいリードは小さく息を入れないときれいな音が出ません。結局小さな音になってしまいます。というわけで近い距離で音を聴かせようと思うと、柔らかめのリードを使うことになるのです。人が多いときには遠くまで音を響かせなければいけないことになるので硬いリードを使うことになるでしょう。難しい話かもしれませんが、ある程度経験や感覚の蓄積が必要なのです。
リードを変えるのでは不十分
楽器を演奏するのもかなり難しい話になってきます。真面目に考えたらキリがありませんが、リードだけ変更してもサックス全体を考えなければいけないということ。演奏する場所・人数・距離まで考えなければ理想の音が出ません。経験を積みながら、どの部分を調整するかを考えられるようになってきます。
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