サックスを演奏する際に中心になるのがリード。硬い材質でできている板のようなものですが、演奏には重要なものなのです。リード選びがしっかりできなければ、まともな演奏などできるはずがありません。演奏のテクニックよりも、よっぽど大事なのがリードなのです。

マウスピースとともにくわえるのはリードです。息を吐き入れるとリードは振動します。この振動がアルトサックスの中でさらに大きくなって音が出る仕組みになっています。息が最初に当たるのがリードで、しっかり振動させないと思った通りの音が出ません。リードをコントロールすること。これがサックス上達の基本中の基本です。

音の仕組み

音は空気が振動することで伝わります。1秒間に何回空気が振動したかを振動数といいます。振動数が大きければ音が高くなり、振動数が小さくなると低い音になります。振動数が高ければ1回振動する時間は小さくなります。つまり素早く振動するということ。振動数が早ければ高い音が出るといった何となくイメージがわくでしょう。

振動数が大きくなると振幅が小さくなります。振幅とは振動の大きさです。振幅が大きければ強い音が出ます。振幅が小さければ弱い音になります。弱い音を出すのは簡単です。弱くふけばいいのですから。強い音を出そうと思ったら振幅を大きくしなければいけないのですが、練習しなければできません。

そして、振動数が大きければ大きいほど、振幅が大きければ大きいほど音のエネルギーは強くなります。サックスで高い音を出せたとしても、エネルギーが弱くては響かせることができません。

硬いリード&柔らかいリード

硬いリードは振動数が大きくなりやすいです。高い音を楽に出しやすいです。小さい音ならならフラジオもやりやすいでしょう。

やわらかいリードは振動数が小さくなりやすく、振幅が大きくなりやすいです。高音域が出しにくく低音域が出しやすくなります。

高めの音を出したいなら硬めのリードを使い、低音域を出したいならやわらかいリードを使うといった感じ。どの音も出せるオールマイティーなリードというものは存在しません。演奏する曲によってリードを選ぶことが必要になります。リードを選ぶ観察眼をつけるしか方法はありません。普段からリードを使い分けていれば自然と身につくでしょう。

柔らかいリードで練習しよう

練習する際にはやわらかいリードで練習したほうがいいでしょう。硬いリードは力を入れなくても高い音が出せて、リードに頼ってしまいやすいのです。やわらかい理由の場合はコントロールする必要が大きくなります。

硬いリードばかり使っていた人で、やわらかいリードに替えた途端に吹けなくなったということもあります。やわらかいリードを使って練習していれば上達も早いです。硬いリードを使うのは高音域を望む場合。普段の練習ではやわらかいリードを使って厳しく練習しましょう。

硬いリードではアンブシュアの維持が難しくなります。リードは硬いので加える力もかかるというわけです。やわらかいリードを中心に使って、アンブシュアを鍛えるためにも硬いリードをたまに使う方法もあります。どんなリードでも問題なく演奏できるくらいに実力を高めることが必要といえるでしょう。

やわらかいリードで高音域・硬いリードで低音域を練習

やわらかいリードは低音域は得意で、高音域は苦手。音が裏がえりやすいのが欠点です。だとすれば練習のためにやわらかいリードで高音域を練習すればいいのです。やわらかいリードは苦手とする領域ばかり練習するわけです。音は裏がえらないように丁寧に演奏することになります。

逆に、硬いリードでは高音域は出しやすく低音域は難しいです。ならば硬いリード使ってて多い低音域を中心に練習しましょう。硬いリードの場合はアンブシュアが大変なので顔の筋肉トレーニングのためにも有効です。音をコントロールするには、息の量をコントロールする以外にも、息の当て方をコントロールする方法があります。息の出し方でも音が大きく変わります。工夫してみてください。

リードを交換したくらいで演奏ができなくなってしまうのは、まだまだ練習が足りないということ。どのリードを使っても自由自在に演奏できるまで練習しましょう。そして自分に合ったリードを選ぶ必要があります。リードを選ぶ目を養いましょう。

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