ここでは、スケールの上昇を練習します。スケールとは、ドレミファソラシドのことです。だんだんと音階が高くなっていくスケールの練習です。運指自体の難易度は高くなく、練習方法を工夫するといいでしょう。

のどの形が大切

スケール練習は、それほど難しいものではありません。簡単なので正確な音程をなるべく覚えて、声に出して覚えるのがおすすめです。サックスの演奏時には声を出すことはありませんが、歌を歌う時の、のどの形と、演奏時ののどの形には関連があります。のどを触りながら声を出すと低い声では喉仏が下がり、高い声を出すと喉仏が上がることに気が付きます。

喉仏が上下するのは、上級者のサックス演奏時にも起こります。息のスピードには早いと遅いという概念がありましたが、音の高さに対して、のどの形にも気をつけるべきです。実際にテンポを遅くして、鏡でのどの形を見ながら練習するといいでしょう。

8分音符でのスケール上昇も、それほど難易度は高くありません。運指をより速くするためにしっかり行ってください。その基礎となるのが音階名を覚えることです。運指練習ではドレミファソラシドと演奏するのではなく、ドレミファ レミファソ ミファソラ ファソラシ ソラシド ラシドレ シドレミ という七つのパーツに分けて、七つのパーツに分けて連続して声に出して言えるようにします。

レミファ レミファソ ミファソラ ファソラシ ソラシド ラシドレ シドレミと一気に止まらないでスムーズに声に出せればOK。テンポは遅くても大丈夫です。連続して間違えずに言えるようにするまで練習です。

ここで注意するのは、考えずに言えるようにすることです。時間の間隔をあけてはいけません。音階名を言っている時に、不安を抱えていると間違いなく運指が乱れることになります。悩みとか不安を考えないように慣れるしか方法はありません。

できる限り早くするまで練習する必要があります。具体的なテンポは120で、一般的に楽曲で使用されるテンポは90~120くらい。120くらいのテンポで運指ができるようになるべきです。でも、120のペースは、いきなりできることはありません。地道に練習してスピードを上げていきましょう。

スケール下降練習

反対にスケール下降の練習もあります。スケール練習は上昇型から始まることが多いですが、下降するのも重要です。上昇だけでなく下降も練習してみましょう。

下降するスケール練習では上昇する時と同じく、のどの形は重要です。のどの形状に気を配りながら練習してください。高い音から始まるので、喉仏の位置は高い位置から始まります。そこから徐々に下降して喉仏の位置が低くなるようにします。喉仏の位置の変化により、気道の形を変えることで自然と息のスピードをコントロールできるようになります。

女性でも喉仏の位置の変化は触るとわかります。高音域の音程が低くなってしまうとき、音が裏返ってしまうときには喉仏の位置も重要な改善ポイントです。

上昇する時と同じく音階名覚えることが重要です。スピードは早ければいいのですが、テンポも正確である必要があります。40くらいの超低速で運指の確認を行いながら、速いテンポで練習をする運指の確認と運指の高速化の2種類の練習が効果的です。

少し時間がかかるかもしれません。さまざまはテンポで練習するために少し時間がかかってもいいでしょう。

スケール上昇と下降では下降のほうが簡単だといわれています。それは、人間の指の構造に関係があります。グーの状態から小指から順々に1本ずつパーにしていく開く動きと、パーの状態から指を一本ずつ閉じていく動きを比較しましょう。閉じる動きは早く、力を入れなくてもできるからです。スケール上昇のほうが簡単に感じるなら下降をしっかり練習してください。

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