サックスで最も大切なリード。リードがなければ音を出すことはできません。そのリードって、どのような工程で出来上がっているのでしょうか。
リードのできる工程を知れば、直接的ではありませんが、役に立つこともあるかもしれません。
ケーンからできる
リードはケーンという植物から作られます。1970年くらいまで野生のケーンが使われていましたが、人工的に栽培されたものが現在では主流です。野生のケーンが取れなくなったからです。
そこでリードを作る会社が、大量にケーンを栽培しているのです。その原産地となっているのがフランスやアルゼンチンなどの南米です。
大量の土地を使い、計画的なケーン栽培がなされているのです。リードの会社が計画的に栽培し、品質管理を行っているため、全体的にリードの品質は一定に保たれ、その品質も全体的に高くなっているのです
冬に収穫されるわけ
ケーンの収穫は、冬に行われます。乾燥している冬のほうが都合がいいのです。
冬のほうが養分がケーンの根に染み込んでいるからです。そして冬は乾燥しているのでリードを作るのには都合がいいのです。
湿気を含んだリードでは、現場で使うことができません。そのため、湿気を含んでいない状態で乾燥させる必要があります。春から秋では乾燥ができないので、冬に行うのが最もいいのです
収穫したら殻の部分を取ってしまいます。それから、棒状に加工して自然乾燥させます残っている湿気を取り除きます。こうしてできたものが、ケーンボールと呼ばれます。
冬から春の間に保存されます。夏になると野外に設置されたラックに乗せて太陽の下で乾燥させることになります。
太陽光の下で干していると、ケーンボールが金色に変化します。太陽光に干すことにより、悪いリードが排除されます。色の変化が悪いもの、黄金色の輝きの悪いものは、この時点で選別されることになります。
太陽光がリードの選別の手助けになっています。
サイズで選別
ケーンポールは、小さいチューブ状にカットされ、それぞれ一定の直径暑さに分けられます。29mmより長いものはバリトンサックス用になります。
24mmくらいの小さいサイズはクラリネット用、と大きさによって使うサックスが変わるわけです。
そのチューブ状がさらに4分の1に切り分けられます。このような工程を経ているために1年もの時間がかかっています。
リードのカッティング
切り分けられたリードを、さらに平らにして細くカットします。これらすべて機械による工程で行われます。
最近では正確な寸法にカットできるようにレーザーが使われることもあります。カッティングされる間にも、できの悪いリードは排除されることになります。
最近のリードのカッティングマシンは1/100mmまで正確にカットできると言われています。ある程度カットしたところで絵測定を行い強度別に仕分けられることになります。
これも機械で行います。強度測定器というものがあります。リードの強度に分けて選別した後に各モデルのデザインに合わせて、さらにカットがされます。
リードのカットについては、常に実験が行われています。ミュージシャンの力を借りて正確な演奏ができるようにデザインが日頃から改良されているのです。
何ヶ月もかかってテストされ実際にコンサートホールなどで実験的に演奏されることもあります。コンピューターを使って正確に測りとるだけでは足らず、演奏者の直感的な感覚に合わせて、さらにリードは進化しているのです。
リードは超重要
サックスのリードは音が出る源です。これがなければ音を出すことができません。そのため、プロでもリード選びを丹念に行います。練習する時間よりもなくなってしまうことも。
サックスにおいて生命だと言っても過言ではありません。サックスの練習で技術を磨くことも重要ですが、リードを選ぶ観察眼も養っておきたいものですね。
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