アルトサックスを吹奏楽で担当している人が、バリトンサックスを馬鹿にする例がたまに見られます。

スクールカーストでもあるまいし、人気のある人はアルトサックスで、人気のない人がバリトンサックスを演奏するものとでも思っているのでしょう。

現実は違います。アルトサックスはサックスの中でも中心的存在となっているので、低音を担当するバリトンサックスの魅力がわからない、と馬鹿にしてしまうのでしょう。

若者ほど低音をバカにする

バリトンサックスは低音を担当する楽器ですが、若者ほど低音を馬鹿にする傾向があります。ロックバンドでもボーカルとギターしか興味がなく、ペースなどを馬鹿にしがちなのと全く同じです。

低音は目立たないので、それほどカッコいいものではないしかも譜面もアルトサックスに比べて低音ばかりで単調に感じられ、魅力があるものみられないのです。

アルトサックスのような高音で目立つもののほうに魅力を感じてしまうのは若さのせい。見えないところに魅力を感じられないお子様といったところでしょう。

低音は土台

どんな音楽でも低音が土台になっています。低音が乱れると、高音が乱れてしまいます。吹奏楽でも低音がうまいところは全体的な評価が高いです。バリトンサックスが低音をしっかり作っているから、アルトサックスは気持ちよく吹けるわけです。

「バリトンサックスなんかやってて楽しいの?」

低音の大切さのわからない人は、こう馬鹿にした態度を取ってしまいます。

自分がやっているわけでもないバリトンサックスをけなす人は自分が目立つことしか考えていません。自分中心でしか物を見ることができず、自分のものの見方がすべて正しい、と視野の狭い人だといえるでしょう。

低音が上手いと全体が上手くなる

バリトンサックスで低音を演奏しているうちに低音の魅力がわかってきます。低音は全体の演奏の土台になるし、高音を引っ張っていったりコントロールする役目があります。実は責任がとても重い楽器なのです。

バリトンサックス抜きでアルトサックスだけの演奏を聴いても貧相に感じてしまうでしょう。

重くてかわいくない

でも残念ながらバリトンサックスにはデメリットがあります。まずその重さです。アルトサックスは2kg~3kgくらいの重さですが、アルトサックスは5~8kgです。大きさはアルトサックスの約2倍あります。

あまりにも重いので背中を痛めてしまう人もいます。姿勢や吹き方がしっかりしてなければ、その重さで体を痛めやすくなるのでアルトサックスよりも体力的には大変です。

マウスピースの選択肢もそれほどありません。アルトサックスのように選択肢がないので、ファッション重視の女子にはかわいさが感じられないのかもしれません。

やったことない人にはわからない

吹奏楽なんかではアルトサックスがやりたかったのに人がいないから、ということでバリトンサックスをやらされるケースもあります。

全員がアルトサックスをやるわけではなく、希望が通らないこともあります。誰かが担当しなければ成立しないから仕方がありません。

やりたくてもできずにバリトンサックスを他の人にやらせているのに、「ダサい」「地味」と言ってしまうのは人として問題です。

音楽のわからないお子様

実際にやってみなければ魅力はわかりません。むしろ若い時に変わった楽器を担当することで視野が広くなります。人気のあるものばかりやっていると、つまらない人間になってしまいます。

サックスというとアルトサックスばかりがメインになって取り上げられがち。バリトンサックスの魅力を知っておいたほうがいいでしょう。「アルト以外は全部ダサい」と言う人は、音楽のわかっていないお子様と思ってもいいでしょう。

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