サックスのチューニングができなければ、いくら吹き方を工夫してもちゃんとした音は出ません。基本的な考え方と音のあわせ方を見ていきましょう。ここではメトロノームとチューナーがセットになったものを使用します。
440~442Hzで合わせる
チューニングする周波数は440~442くらいを目安にします。一定の音を基準としてチューニングしていきます。どんな音を基準にしても構わないのですが、左手中指「ド」がやりやすいです。
本来ならすべての音でやりたい
本来ならば、出せるすべての音でチューニングを行いたいところですが、そんなことをやっている時間はありません。完璧にチューニングをしているヒマなどありません。
そこで、ある一定の音だけを合わせる方法で時間短縮を図ります。低音域・中音域・高音域の大まかに三つに分け、この代表的な音を合わせていけばいいのです。
では、どんな音を選択すればいいのでしょうか。
低音域・中音域・高音域で選択する音
ド
低いソ オクターブなし
高いソ オクターブあり
低いミ
高いミ オクターブあり
低いド
高いド オクターブあり
これらの音でチューニングをしているとすべての音の音程が合わせやすくなってきます。高い音を演奏しているうちに高くなってしまう傾向があり、低い音はさらに低くなる傾向があります。
そのために低い音の場合には、チューナーが右に傾いていてもOK、高い音の場合には左に傾いていてもOKです。
選択する音は個人の好みでも構いませんが、毎回基準をはっきりさせるために同じ音で行ってください。自分で何となく合わせにくいと思っている音を選択してもいいです。最も合わせにくい音を選ぶことにより、全体の調律がうまくいきやすいです。
出しやすい音量
出しやすい音量でふいてください。いつも通りの自然な感じで音を出してみましょう。
音を出して針が止まっているか
音を出すとチューナーの針が動きます。音を出した瞬間に針が動きしっかり止まるかどうかを確認してください。左右にぶれているかどうかを確認しましょう。左右にぶれている場合には音は安定していない証拠です。
真ん中に合わせようとしない
チューナーを使ったチューニングでは自分でアンブシュアの形を変えて音の出し方をコントロールしないようにしましょう。
チューニングの目的は出した瞬間の音を安定させることにあります。吹き方を変えて合わせても、その吹き方を続けることになりますので全体がおかしくなります。
アンブシュアを変えない
出した瞬間の音を合わせる
高めに出るときは低くする
チューナーで音が高めに出てしまう。針が右に動くと音が高く出ている証拠です。その場合、音を低くするように調整することになります。
その方法としてはマウスピースを浅くすること、コルクの面積を増やすこと、管を長くすることです。
低めに出るときは高くする
針が左に動く場合には音が低めに出ています。その場合には高くする調節をすることになります。
低くする場合とは逆にマウスピースを深く入れること。管を短くすること。コルクの面積を小さくすることです。
サックスは管が長ければ長いほど音は低くなります。短くなると音は高くなります。このことを覚えておきましょう。
右に傾く 高め 低くしたい
マウスピースを抜く
コルク面積を増やす
管を長くする
左に傾く 低め 高くしたい
コルク面積を減らす
マウスピースを奥まで入れる
管を短くする
管が短い 高い
管が長い 低い
チューナーを使わないでコルクの位置でチューニングする方法もありますが、ある程度慣れが必要です。コルクの位置が気温で楽器の温度でも変動しやすいので注意しましょう。コルクの箇所がどこら辺ならベストなのかを覚えておきましょう。
まとめ
サックスを購入したらチューナーも一緒に購入しておきましょう。ヤマハからも販売されています。チューニングの原理を知ること。何のために行うのかを理解するといいでしょう。
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