サックスを演奏するときに必要な技術といったら腹式呼吸だと言われます。しかし、この腹式呼吸は体の使い方ですから、いまいちイメージがつかめない人もいるでしょう。どうすれば腹式呼吸ができるようになるかを、ここで検討してみます。
呼吸の真実
呼吸というのは、「吸って吐く」ことだと勘違いしている人もいるでしょう。しかし冷静に考えてみてください。呼吸という言葉を見てください。「呼」は吐くこと、「吸」は吸い込むことをいいますよね。そして「呼」が先で、「吸」が後です。「吸呼」ではありませんよね。
つまり、息を吸ってから吐くのではなく、息は吐いた後に吸うものなのです。あまり大した問題に感じないかもしれません。しかし、これは大変重要なことなのです。
息を吐く
息を吐くときに、口の大きさに気をつけてみてください。試しに、口を大きくあけて息を吐いてみましょう。そうすると、すぐに吐ききってしまいますよね。
空気がすべて抜けてしまう上に、おへそ周辺を意識することができません。口を大きく開けてしまうと、胸から息を吐いてしまうのです。これが胸式呼吸といわれるもので、サックスの演奏にはよくありません。
それとは逆に、口の形を口笛のように、すぼめて息を吐いてみてください。そうすると、息を吐く時間が長く続けられるでしょう。口をすぼめることによって、出る空気の量を少なくできるのです。
そして、口を小さくすぼめて息をはくと、おなか周辺に力を入れることができます。この状態で、息を吐くと腹式呼吸ができ上がりです。
息を吸う
そして、口をすぼめて10秒くらい息を吐ききったあとに、息を吸います。しかし「吸おう」と思わなくて大丈夫です。人間の体が息を吐ききると勝手に息が入ってきます。これが自然な形です。息を吸おうと思って頑張る必要はないのです。
その際に、鼻から息を吸ってください。鼻には鼻毛が生えています。そして口の中には毛が生えていません。これは息を吸い込むと、ゴミなどの異物が混入してしまうので、毛がガードしてくれているというわけです。
そして口の中に毛が生えていないということは、口から息を吸うものではないということを意味します。口呼吸が体に悪いというのもこのためです。
思いきり息を吐ききった後に、鼻から息を吸いましょう。息を吸うことを意識しなくても大丈夫です。その際には口を閉じておきましょう。平常時でも口は閉じておいたほうがいいでしょう。
息を吐くことだけで十分
上に説明した通り、息を吸うのは、口を閉じるだけで十分です。そして息を吐くことだけに集中しましょう。口の大きさをやや小さくして、5秒や10秒くらい、時間を決めて頑張ってみてください。
そして平常時は口を閉じておいて、鼻から息を吸い吐きましょう。口がポカンとあいている人が結構居ます。これはよくありません。呼吸が浅くなるからです。鼻から息を吸ったほうが呼吸が深くなり、腹式呼吸になります。
そして女性は胸式呼吸になってしまう人が多いと言われています。普段から口を開いていませんか。しゃべる必要のないときは、口は閉じて鼻から息を吐きましょう。
呼吸が浅いと、過呼吸になり、精神的に不安定な状態になりやすいです。サックスをしても、しなくても、腹式呼吸を覚えるということは大変重要なことです。
そして、そのポイントは息を吐くことにあります。口の形を小さくして、息の出る量も少しにコントロールしましょう。そして、その際におなかのへそ中心を意識すること。吸うことについては口を閉じるだけで、自然とできます。
サックスは楽器ですが、人間の体も楽器です。そして呼吸法も体の使い方に他なりません。今まで呼吸ができなかったという人も、呼吸なんか意識したことはなかったという人も、参考にしてみてください。
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