楽にチューニングできるチューナーがあれば便利ですが、どうせやるのだったらチューナーを使わないチューニングにチャレンジしてみましょう。

その目的は音感を育てること。チューナーがなくても音を合わせられるようにすることです。年齢がいくつになっても音感は育ちます。サックスの技術だけに目を奪われずに、人間に備わった能力も上げていきましょう。

絶対音感について

絶対音感は、音を聴いた瞬間にその音の音階がわかるという能力です。訓練して身につけたものではなく、3歳以前の早期教育によって身につけられるものと考えられています。

絶対音感を持っていたからといって大音楽家になれるなどのメリットはありません。むしろ、聞こえてくる音を音階という概念でしかとらえることができず、音そのものをダイレクトにとらえることができなくなるデメリットもあります。

絶対音感を持っていたほうがいいとか、絶対音感に近いものを身につけましょうということではないのですが、チューニングを通じて音感を身につけると、チューナーなしでもチューニングできるのでのちのち便利です。

楽しくチューニング

絶対音感は3歳までの訓練が必要になりますが、そんなことしなくても一定の音感は年齢に関係なくサックスでも身につきます。チューニングを通じて音感を鍛えることができるのです。

期間はかかりますが毎日チューニングをしているうちに音感は育っていきます。毎日漠然とチューニングをするよりも、頭を使うことによって音感の育ちは早くなります。サックスのチューニングも工夫して楽しくやっていきましょう。

YAMAHAのチューナーで

ヤマハのチューナーにはSOUNDという機能がついています。

ドレミファソラシドの音を、電子音で鳴らしてくれる機能のことで、ボタンを押すと半音ずつ音程を変化させることができます。このSOUNDで確認したい音を出してみましょう。

この間が育ってくるとチューナーを見なくても音程が高いのか低いのかが判断できるようになります。

SOUNDの音を聞きながら頭の中にその音程をイメージし、そのイメージ通りに楽器を吹いてみます。そして吹いた音の音程を高いのか低いのかを予測してください。

そのあとでチューナーを見て答えを確認しましょう。こんな感じでチューナーを見てすぐに音程を判断するのではなく、一度自分の頭の中で音を反芻してからチューナーを見て答えを確認する、という手間をかけるわけです。

普段からやっているといないとでは音感の育ち方が違います。

コルクの位置に注目

チューナーを使わなくてもコルクの位置でチューニングができます。

出ているコルクの面積が小さくなるほど音程が高くなり、出ているコルクの面積が小さくなること音程が高くなります。

コルクの位置が小さくということは楽器全体が短くなっているということで高い音が出ます。

コルクの面積が大きいということは、マウスピースが浅く入り、楽器全体が長くなっていることを意味します。楽器が長くなること低い音が出て、短いほど高い音が出るというメカニズムを覚えておきましょう。

コルクの位置を確認しマウスピースの抜き差しでチューニングができるということです。音が安定してからチューナーを使ってチューニングをして、ボールペンで印をつけておくと早いです。

気温や楽器全体の温度によってコルクの位置や音程が変わってしまうことがあるので、そこらへんも考慮しておくといいでしょう。だいたいの目安にはなります。

チューニングの際にも音を集中して聴くことで音感が育ちます。脳細胞にもいい影響が及ぶので高齢者にもおすすめ。100%機械に機械に頼るのではなく、自分の力を加えて楽しみつつ、サックスのチューニングを行えるといいですね。

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