サックスの練習をしている時、音を遠くに飛ばそうと思ってはいませんか。できるだけ遠くまで音が聞こえたほうがいいというのは確かです。後ろの席の人まで聞こえなければ、満足させることはできませんよね。

だからといって力一杯演奏するということではないのです。指導者でも遠くに音を飛ばそうと間違った理解をしている人もいます。残念ながら、力んだって事は遠くに取りません。無駄に力を使った揚げ句に汚い音が出るだけの話。

無理やり出しても届かない

無理やり音を出したって遠くに届かないのは音の不思議なところです。そして力がないで演奏した時のほうが自然に綺麗な音が出て、遠くまで響くものです。サックスの音の出る行動を理解してください。

マウスピースに息を入れることによってリードも同時に振動しサックスの中で大事が増幅されて音が出ます。音が出るというのは空気が振動しているということ。しっかりと空気を振動させることが大切です。

力んで演奏することにより、空気が振動しにくくなります。そして音が遠くに届かなくなってしまうわけです。

押してもしょうがない

そして人間の耳というのも不思議なもので、大きな音を聞いたからといって認識できるというわけではありません。自分の聞きたくない音というのは聞こえないことになってしまうのです。

自分の聞きたいと思っている音ならどんな騒音の中でも通ってしまうというわけ。つまり普段の練習でサックスの音をさらに質の良いものにすることが大切で、むやみやたらに力んだ演奏しないようにすること。

自分が聞いても心地のいい音を目指すことは重要です。どんなな騒音下でも心地のいい音なら聞こえてくるものです。無理やり力んで演奏しても不協和音が流れるだけですので、最終的には聞こえないことになります。

自己満足で演奏するなら構いませんが、客に向かって演奏する際には、質の良い音を聞かせてあげること。そのためにも、音の大きさよりも、遠くに飛ばそうと思うよりも、できるだけ質の良い音を普段から意識したいものです。

遠くに飛ばそうと思うのではなく音の中身をよくする

音の性質わかっている人ならわかるかもしれませんが、音なんて押しても遠くに飛ぶものではありません。大きな音を出して、遠くに伝えようと思わないでください。音というものは波動の一種です。

波動の性質のものが動いているということではないこと。その場所にある物質は、ただ振動しているだけで場所を変えるものではないのです。ということは、しっかりと空気を振動させること。このことを意識してください。

質の高い音を出せば遠くに飛ばそうと思わなくたってある程度の音の大きさも出て、聴衆には聞こえるものです。それが無理やり大きな音を出して、遠くに飛ばそうと思えば間違いなく汚い音が出ます。

聴衆にとっても息苦しい音になってしまいます。その結果いくら一生懸命頑張っても聴衆からの評判も悪くしかも自分まで疲れてしまうという悪循環に陥るわけです。踏んだり蹴ったりとはこのようなことをいいます。

人間の声だって全く同じですよね。相手に聞かせようと思って大声を立てれば、聞きぐるしい音が出てしまい、しかも自分ののどまで痛めてしまうのです。

人間ののどで例えると声帯をしっかりと震わせることが大事です。決して力んで声を出そうと思わないことが大切。サックスも全く同じ。力まないこと。正確に音を振動させることを意識してください。

人間の声もサックスも本当の出る仕組みなんて一緒のもので、大きな音を出したり、遠くに飛ばそうと思ったからといって遠くの人に聞こえる事ではありません。そんなことをするくらいなら普段からできるだけ事をよくすること。心地のいい音。リードをちゃんと振動させているかを考えながら丁寧に演奏することが大切。力を入れないほうがいい結果が出る好例です。

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