サックスと最も親和性の高い音楽ジャンルというとジャズですが、その音楽的な特徴とは一体何なのでしょうか。
ジャズの最も重要な要素の一つである即興性を軸にみていきます。
即興性
ジャズの特徴はその即興性にあると言われています。その時の思いつき、自由に演奏することです。クラシックから見ると信じられない音楽性です。
クラシックは楽譜の通りに正確に演奏することが求められますが、ジャズでは全くそんなことは推奨されません。
最終的には、その場の雰囲気で出したい音を自由に演奏できるようになるまでに練習するのはサックスの目的となります。
それまでは楽譜の通りに演奏できることを徹底的に反復練習することになります。それができてから即興へ進みます。自分で出したい音を出す、という流れでうまくなりましょう。形式的にものを考えてばかりの日本人には最もやりにくい方法かもしれません。
即興ができない日本人気質
典型的な日本人の性格というと即興性とはかけ離れています。指示通りにやることは得意なのですが「自由にやれ」と言われると何もできなくなってしまう国民性。自分の頭で考えて実行することができないのです。
人がおぼれているときに「海に飛び込んで助けてください」と言われた時に、アメリカ人は「自由のために」と言って飛び込みますが、日本人は「会社の上司の指示を仰いでから」にします、というのですから馬鹿にされます。
幼い頃から完全に管理された教育のせいなのでしょうが、即興性や感情表現を重視するジャズから見ると完璧に反対で、日本人がジャズの感覚を身につけるのは難しいことだとわかるのではないでしょうか。日本国内でジャズ感覚を身につけるのは、まず無理と言ってもいいです。
肉体的な要素
ジャズにもう一つ重視されるのは、肉体的で踊りの要素です。リズムを重視する音楽です。このリズムというものがくせ者で、楽譜で表すことができません。民族音楽やその土地の伝統的な音楽と関係しています。
クラシックなように徹底的に考え抜かれた音楽ではなく、その場の雰囲気で考えずに演奏するのが難しいところで、民族音楽の存在しない日本人には少し難しいかもしれません。
日本で音楽といっても、ほとんどが学校の吹奏楽から始まったり、個人の音楽教室から始まり、音楽大学などの学校で学ぶことになるので、このようなジャズの最も重要な感情や肉体的な動きなど全く身につかないといってもいいでしょう。
その割にはクラシックはヨーロッパが進んでいるといい追従するばかりで、それを越えようともせず中途半端。そのくせ、ジャズとは全く相容れない国民性で主体的な意思や感情、肉体の強さや伝統のないのが日本の音楽です。日本というのは文化も何もなくなってしまったのでしょうか。
即興性は他のジャンルでも応用されるか
即興性だったり感情的な力は、楽譜に書くことのできないリズム感が特徴であり魅力。クラシックとは相いれないものですがそんな時代ではなくなってきます。
即興性はジャズだけの専売特許と言われていましたが、他の音楽にも応用される可能性はもちろんあります。
堅苦しく、勉強しなければ触れてはいけないようなクラシックでも。自由度が高まったり感情の面が強く重視されることにより、別の音楽を生み出される可能性もあります。
昔のジャズではない
少し前まではジャズなどいつまでたってもジャズでしかないもの。変わりばえがないし、可能性も少ないと言われていました。でも、そんなことはなくなってきました。
演奏している人ばっかりが演奏で恍惚と入り込んでしまうだけで、観客は置いてけぼりとまで非難されたこともあります。
しかし、クラシックや他のポップスなど他の音楽の特徴を取り込んだり、逆に他のジャンルの音楽がジャズを取り込んだりすることにより。新しい音楽に変化する時代がもうすでにきています。
せっかくサックスを練習しているのだから、そのルーツであるジャズ、そしてその可能性を知ることが大きな財産となるでしょう。
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