まずは、サックスの基本的な構造について大まかに確認をしておきましょう。基本的な知識を押さえておくと上達も早くなるし、トラブルがあったときにも何かと役に立ちます。
管楽器
サックスは、管楽器に分類されます。
楽器にはたたいて音を出す打楽器、ギターのように弦を使って音を出す弦楽器などがあります。
その打楽器は音を出した瞬間に音が大きくなり、それからだんだん音が小さくなる減衰音に特徴があります。管楽器は息を使って音を出すので、音のコントロールが自由自在にできます。
サックスは木管楽器
その管楽器は、金管楽器と木管楽器の二つに分類されます。サックスは金属で作られていますが、木管楽器に分類されています。
金管楽器は1本の管の長さを変化させることによって音程を変える仕組みになっています。
木管楽器は管の中にあるトーンホールと言われる穴をふさぐことによって音程を変化させるものです。縦笛を思い浮かべるとわかりやすいですがサックスもこの形状です。
唇の振動で音を出す楽器を金管楽器、唇の振動で音を出さない楽器を木管楽器と分類する立場もあります。この場合、サックスはリードを振動させて音を出し、唇の振動で音を出さないので、木管楽器ということになり結局は同じですが。
金管楽器と木管楽器の区別は金属製か木製かという違いではなく、音を出す構造で分類されているということです。
またサックスは、上に説明したようにリードを振動させて音を増幅させて出すことになるので、1種類の音しか出すことはできません。このタイプの楽器を単音楽器と呼び、鍵盤楽器や弦楽器のように音を重ねた和音を奏でることはできません。
サックスの成立
サックスはアドルフ・サックスという人物が1840年頃に作り上げました。一般的にはサックスと呼ばれていますが、「サクソフォーン」というのが正式名称です。
開発当初は受け入れられず批判されることも多かったようですが、ジャズやクラシックに取り入れられるようになりました。さまざまなメディアでも取り上げられるようになり、人気のある楽器で、縦笛と同じ運指でできる初心者でも取っつきやすい、親しみやすい楽器との立場を確立しました。
サックスのサイズ
そのサックスにはいくつかのサイズがあります。
大きさによってこの四つに分類がなされています。
ソプラノサックスよりもさらに高い音域のソプラニーノサックスや、バリトンサックスよりもさらに音の低いバスサックス・コントラバスサックスなども存在します。アルトサックスから始めるのが無難かつ常識といったところでしょう。
移調楽器
管楽器は、管の長さを変化させることで音を出すので、サックスの大きさが異なれば、同じ運指で音を出そうとしても全く違う音が出ることになります。
そのため、それぞれの楽器において基本となる音程があります。
ソプラノサックスとアルトサックスはB♭(シ♭)
アルトサックスやバリトンサックスではE♭(ミ♭)
B♭管で「ド」の音を出すと、実際にはB♭シ♭の音が出ます。
E♭管で「ド」の音を出すと、実際にはE♭ミ♭の音が出るようになっています。
このように楽譜の音と実際に出る音が違う楽器は、移調楽器と呼ばれています。管楽器はピアノのように音程が決まっているわけではありません。そのため、ピアノなどで絶対音感を身につけた方にとっては違和感を感じることになりますが、実際に音を聞いてその音程に慣れてください。
慣れることが大切
意外とよくわかっていない木管楽器と金管楽器の違い。そしてわかりにくい移調楽器の性質。全くサックスに触れてこなかった人には、理解しにくい面もあるかもしれませんが、悩まないで、まずは練習して慣れることが大切ということです。
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