音楽教室に対してJASRACが著作権料を支払わせようとしています。サックスを音楽教室で練習している人にも少しくらいは関係があるかもしれません。いったい、どんな問題なのでしょうか。
JASRACって何
JASRACという名前くらいは聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。CDなどの音楽ソフトにJASRACのマークがあります。
JASRACは音楽家の権利を守る団体と言われています。CDやDVDを違法コピーされてしまうと、もうけがなくなってしまいます。
ミュージシャンやアーティスト・作詞家・作曲家の儲けがなくなってしまう。というわけで、JASRACという存在は音楽家の権利を守ろうとしているのです。
音楽教室についてJASRACは著作権料をこれまで支払わせていませんでした。カラオケやコンサート・店舗など音楽を使うところでは著作権料を徴収していました。
音楽教室での楽曲使用は公衆の面前で使用する音楽でないので、著者権料の徴収をしていません。最近になってJASRACは著作権料を支払わせる姿勢を強めています。
音楽教室で使う教材から料金を支払わせようとしているのです。いくら何でもやりすぎではないのか?という話もあります。学校の音楽の授業も同じではないのかという話もあります。
サックスの練習で音楽教室を使う方にとっても、レッスン代に上乗せされる可能性があります。
権利を守っていないのでは
確かに著作権料を支払いを義務づけると、お金が徴収できて作曲家や音楽家の生活が豊かになると一見思えます。しかしその裏面として、お金を支払うのは嫌だから音楽なんか聴かないという人も出てきます。
税金を払うくらいだったら著作権フリーの楽曲を使えばいい。自分で作ってしまった方が練習になる・・・できるだけお金をかけないようにして音楽を楽しもうとする人や、音楽を控える人も出てくるでしょう。
その結果、今まであった音楽を聴く機会がなくなる。音楽の売れ行きもしてしまうでしょう。JASRACが守り続けた結果、音楽自体を楽しめなくなるかもしれないのです。
一時期コピーコントロールCDというものがありました。コピーされないようにパソコンで録音することができなかったのです。同時期に流行したiPodやウォークマンなどのMP3プレーヤーでは、コピーガードされ聴けず、多くの人がコピーコントロールCDを避け、購入しなかったのです。JASRACが守りすぎた結果、CDが売れなくなってしまったのです。
これじゃ人々が音楽を聴く前に、その音楽を世の中に広めさせないようにしているようなものです。果たしてこれでいいのでしょうか。
JASRACのけちくさい態度に合わせていると、音楽離れがさらに進むでしょう。権利を守っているのか、侵害してるのか本末転倒な話です。芸術を使ってお金を儲けて会社を経営しようと思うなら、多くの人に広めること聴いてもらうことを楽しんでもらうことが必要です。誰も聴かない音楽に一部のマニア以外はお金を支払いません。
料金を支払えよ
音楽をたしなんでいる人にとっては著作権料の数%くらい安いんだから支払えよ、と思う方もいるかもしれません。確かに標準的なサックスが20万円~30万円で、それくらいお金をかけても普通でしょと思っている人は何とも感じないかもしれません。
しかし、この先の音楽業界のことを考えるとJASRACの著作権料の徴収は、一般庶民に音楽を楽しんでもらおうということよりも、より負担をかけて楽しませないようにしていることにほかなりません。
小さい金額だから関係ないよ、と思っている方。地味な料金アップはじわじわと効果を示してきます。業界が崩壊してから「どうして音楽業界がだめになったんだろうね?」と泣き言を言わないでくださいね。
これからサックスを楽しんでいる人、現在楽しんでいるという方にも音楽教室の料金アップなどの形で影響が出てくるかもしれません。
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