サックスを演奏する時に直接に口が触れるのがリードとマウスピースで、この二つを接続するアイテムがリガチャーです。

一見、たいしたこのとのないようにみえる些細な部品でも、実際は演奏感に大きな影響を与えることになります。正確な知識とその使い方、選び方、取付け方法は知っておきたいところです。

マウスピースとリードを固定するために必要な、金属バンドであるリガチャーの基本的な知識と、取付け方法についてみていきます。

リガチャー

リガチャーはマウスピースにリードを固定させるための金具のことです。マウスピースがまんべんなく全体的に振動できることを意識しながら、リードをマウスピース台に固定して使います。

一般的なリガチャーは金属製で、ニッケル・銀・金でメッキされたものが主流です。その他にも、針金・プラスチック・ノーガハイド・ナイロン・木材・紐・革で作られたものもあり素材は多種多様です。

リード側で締めるものと、マウスピース側で締めるタイプの2種類があります。

リード側で締めるタイプは、順締めタイプと呼ばれ、リードを押さえ付けて安定した音が出しやすく、音のコントロールがしやすいです。

マウスピース側で締めるものは、逆締めタイプと呼ばれています。リードと接する部分が、順締めタイプに比べて工夫してある特徴的なものが多く存在し、リードを効果的に鳴らせるように加工してあります。

リガチャーの材質の違いと音質

リガチャーは、材質の違いにより音質が変わってきます。材質の違いによる音の変化はサックス本体でも同様に言えることです。

金属の違いによって抵抗が変わるので、音質が変わります。管内部の膨張率や、振動の伝達度合いも変わってくるので、音を出すために必要な息の量も変わってきます。

硬い金属のほうが明るい音が出る傾向があります。やわらかい材質のリガチャーをつけると音がやわらかくなる傾向があります。

取り付けについて

リードをマウスピースに取り付ける時にはマウスピースを少し引いた感じて取り付けることになります。

サックスで適切な音を鳴らすためには、リガチャーを適切に取り付ける必要があます。 自由に振動させながらリードをゆがませないことを意識しつつ、ネジを締めすぎないことに留意しましょう。

リードの中心部分がずれないように正確に取り付けましょう。リードが硬いと感じる時には下にずらし、やわらかい場合には上にずらすのが調節のコツです。

リードを取り付ける位置によって、マウスピースの先端と、リードの先端との隙間の広さが変わり、吹き心地に違いが出てきます。自分なりに調整をしてみましょう。

リガチャーをしめる位置

リードを取り付けるリガチャーは、その種類によって演奏感や音質にも違いが出てきますが、取り付ける位置によっても微妙に演奏感が変化します。

リガチャーを奥でしめると、リードが振動しやすくなり、手前側で締めると音を出しやすくなる傾向があります。リガチャーを取り付けるネジが一本のタイプ、二本のタイプがあります。マウスピースの後ろできつく締めるとリードの振動が多くなり、前側できつく締めると楽な演奏感になる傾向があります。

自分なりの感覚を大切にして

リガチャーで考慮することはマウスピースとリードの取付け位置、そして音質に関わってくる材質です。

演奏者の好みの取付け位置がありますので、初心者なら他人の意見を参考にしてまねをするのもいいでしょう。上達してくれば、自分なりの感覚で、求める音に近いか、演奏感に満足できるかなど、主観的に判断していくしか方法はありません。

材質や取付け位置によっては、音が変わるメカニズムも頭に入れておくと選び間違いも少なくなります。

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